昭和大学江東豊洲病院とその関連施設の竣工を記念して、それぞれ建設に携わった会社よりご依頼を受けて寄贈作品をおさめました。

望月通陽 《穀日》 ブロンズ

昭和大学江東豊洲病院は、小児医療や産科・周産期医療に重点を置き、女性とこどもにやさしい病院を目指しオープンしましたが、そのエントランスホールに相応しい母子像を彫刻家 望月通陽さんに制作してもらいました。
本作品《穀日》はこどもを抱き上げる母を象ったブロンズ像ですが、すっと上に伸びてゆく植物のようにもみえる、そのしなやかな曲線は望月さんの作品の特徴だといえます。本作品のタイトルやこどもの凛とした姿からも伝わってくるように、生きることの強さやこどもに対する「希望」や「これからの予感」を込めた作品となっています。
昼間にはさんさんと外光が差込み、そうした想いを更に感じとることができます。お子さんやお母さんだけでなく、訪れる方やスタッフのみなさんにも親しんでもらえたら幸いです。

 

山中たろう 《森と家》 油彩・カンヴァス

また、昭和大学江東豊洲病院の近くに建設された看護師寮エレベーターホールにも、ある会社よりご依頼をうけて寄贈作品をおさめました。
画家 山中たろうさんの《森と家》という作品です。水辺の向こう側に森があるというシンプルな構図ですが、その中には注視しないと見えてこないような微細なモチーフが多く描きこまれています。この寮にお住まいになる看護師のみなさんは、この作品と毎日出会うこととなります。昨日みえなかったものが今日はみえてくる、そんな発見をして欲しいという想いを込めてこの作品をおさめさせてもらいました。(利用者の方の楽しみのためにここでは公言できませんが、)実は私自身、納品する際にようやく見つけられたモチーフもありました。それだけではなく、絵画の世界はその時々で異なった状景としてみる者にせまってきます。非日常的な「鑑賞」としてではなく、生活の中での絵画との付き合いを楽しんでいただけたら非常に嬉しく思います。

担当:高井