PROJECT/

台北市文山区永建国民小学校(台湾)

Taipei Municipal Yongjian Elementary School(TAIWAN)

都市における森林学校

自然豊かな「仙跡岩」という山に隣接する永建国民小学校の新校舎は、その恵まれた立地特性を活かし、校内に都心とは思えぬほど豊かに生い茂る森、自然保護エリアを保有している。台北市学校環境教育センターにも指名され、子どもたちは自由に自然と触れ合うことができる類稀なる教育環境がそこにある。
今回のパブリックアートは、そのような学校の豊富な自然環境と子どもたちをダイレクトに繋ぐ役割を果たすことを目指した。校内図書館のエントランス、外廊下空間のアートワークを担う作家には、地域の植物を実際に採集し、作品へと展開する笠原由起子氏が採用された。

アートから自然に 自然からアートに

作家は植物の専門家と共に校内と仙跡岩山で採集した自生植物を用いて金彩を施したセラミックレリーフを制作し、図書館エントランスの壁に配置した。外廊下には、子どもたちに触感を感じさせるため、校内の指定保護樹木の木肌と花、葉、実、種などから型を取り、「図書館」と呼応した本型のブロンズ作品を設置。教育的な展開を期待し、作品に使われた植物の学名マップも制作して、子どもたちの興味を誘うしかけとした。

また、卒業を控える六年生と先生向けのワークショップも開催。第一部では、校内の植物を教材に、植物分類学に基づいて葉の構造を観察するレクチャーを行い、知識の伝授だけでなく観察の目を育てることを目的とした。第二部では、植物からアート作品を作る楽しさを体験させるワークショップ。第一部で培った植物の見方を意識して、モノプリントの技法で植物の紋様をポストカードに転写したり、レイアウトしたりした。子どもたちが創り出した作品は、新校舎の図書館を彩っている。


作家コメント:身近な植物から発想を得る

私はさまざまな土地を歩き、それぞれの土地の植物の生態変化するかたちを蒐集して型取り、作品としてその土地固有の植物誌を作る試みを続けています。
台湾の恵まれた豊かな植生と身近な植物の存在を、未来に生きる子どもたちに再認識してもらい、太古から続く植物と人間との関わりや、植物から発想を得て生まれる文学や芸術など様々なことに興味を持ってもらえればと思います。
永建国民小学校を取り囲む自然環境の中に実在するたくさんの植物の中には、目の前に見えているのに見ていない、たくさんの面白くて美しいかたちが潜んでいます。そのかたちを蒐集して本とレリーフを制作しました。

DATA
施設名称
台北市文山区永建国民小学校
建築主
台北市文山区永建国民小学校/Taipei Municipal Yongjian Elementary School
所在地
台湾台北市/Taipei, Taiwan
主要用途
小学校/Elementary School
完了年度
2018年10月/October. 2018
アートディレクション
株式会社タウンアート/Town Art Co., Ltd.
アーティスト
笠原由起子/Yukiko Kasahara

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