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第一回おおぞら展 (大阪国際空港学生展覧会)

Osaka International Airport Art Project

大阪国際空港(ITAMI)は、2020年のグランドオープンに向けて大規模なターミナル改修工事を行っており、20184月の先行リニューアルを機に、地域との共生を目的とした「大阪国際空港アートプロジェクト」(*1)  を展開している。その一環として、美術系学科を有する関西の大学と行う産学協働プロジェクト「おおぞら展」の第一回合同展覧会を41日(月)から56日(月)まで開催した。

「おおぞら展」は、アーティストやデザイナーを志す大学生が日頃の成果を空港内で披露する展覧会だ。記念すべき第1回目には、大阪芸術大学、近畿大学、京都市立芸術大学、京都精華大学、神戸芸術工科大学に在籍する学生45名が参画し、日本画や版画、テキスタイルをはじめ、デジタルサイネージを活用した映像作品や什器など、多種多様なアートを空港内各所に展示した。(ターミナルや飲食エリアの通路、ACTUS店舗内など)

本展は、空港利用者や周辺地域の住民に若手の表現を鑑賞してもらうこと、空港を「表現者の卵」に開かれた場所にすることのほかに、展示の機会を通して学生に見聞を広めてもらうことも主たる目的であった。実際には、美術館やギャラリーとは異なり美術鑑賞を目的としていないパブリックな場所での展示には戸惑いを感じるところも多かっただろう。しかし、会期終了時には「学びがあった」という多くの感想を学生たちから聞くことができた。それには、単に空港で展示したことだけではなく、会期中に開催した「交流会」が大きく寄与していたことと思う。学生や教職員をはじめ空港管理に携わる多くの関係者が集まり意見交換を目的として開催された。空港の場所性を熟知している一方でアートとの日常的な接点が少ない方々と、アートを学びながらも空港の一般的な利用に留まっている学生らとの間で交わされた会話は、両者にとって新鮮で有意義になったことと思われる。本展においてキュレーション全般で携わったタウンアートとしては、是非この経験を今後の制作活動や空港運営の糧にしてもらいたいと願うばかりだ。

われわれタウンアートにとっても今回のプロジェクトは大きな収穫があった。従来的な業務とは少し異なるが、「パブリック」な場所で「アートの実践」の意味において、目指すべきアートのひとつの形態であったということだ。「第一回」とうたっている通り、二回目と三回目の合同展覧会も現在計画中である。交流会のメッセージにて関西エアポートの山谷代表取締役社長が述べたように「新しいカタチの美術館」を目指すべく、今後も邁進していきたい。

DATA
主催
関西エアポート株式会社
協力
株式会社ACTUS
日時
2019年4月1日(月)〜5月6日(月)
会場
大阪国際空港各所
参加大学
大阪芸術大学、近畿大学、京都市立芸術大学、京都精華大学、 神戸芸術工科大学(五十音順)
監修
株式会社タウンアート
コーディネーター
原久子(大阪電気通信大学 総合情報学部教授)

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