PROJECT/

東京慈恵会医科大学附属病院 新橋健診センター

The Jikei University Hospital

西新橋キャンパス再整備計画の一環としてN棟が新設され、2019年1月に新橋健診センターが開院した。健診センターは、「渡り鳥が翼を休める静かな湖畔」をコンセプトにインテリアが計画され、湖面をイメージしたブルーを基調とする上質な設えとなった。アートワークもその空間との統一感を持たせるべく、「湖面の水面」を喚起させる素材・ステンレスを用いたレリーフ作品(岸本真之 作)を設置することとなった。

インテリアのコンセプトと共に、土地の歴史・場所性も本作のレファレンスとなっている。その昔西新橋の目と鼻の先には海辺が広がっており、現在はビル群に囲まれたこの場所まで潮風が香っていたことと想像される。その水面でみたであろう「さざ波」をイメージした、青や緑、黒に彩った細やかなパーツを組み合わせたレリーフが完成した。個々のパーツは同一の形状であるが、角度をつけながら次々と重なりあうことで、大きな流れ、リズムが生まれてくる。ステンレス生地の輝きを保ちつつ着色されたレリーフに自分自身の姿や周囲環境を映しこみ、その様相がみる人の動きに合わせて変化する。

こうした作品を眺めたり、あるいはその前を通り過ぎたりする体験は、陽光や波の動きによって刻々と情景を変化させる「湖畔の水面」を眺めたり、海辺を歩いたりする経験とも重なる。健康診断は、日々の暮らしを見つめなおす契機となる。あたかも水面を覗き込むようにみる者の姿をおぼろげに映し出すこの作品は、そうした自分自身の心と身体と向き合うための静かな時間に寄り添ってくれるだろう。

DATA
建築主
学校法人慈恵大学
所在地
東京都港区
主要用途
病院
完了年度
2018年11月竣工(2019年1月オープン)
建築設計
株式会社竹中工務店
アートディレクション
株式会社タウンアート
アーティスト
岸本真之
施工
株式会社竹中工務店

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