3331Arts Chiyodaのアキバタマビ21にて、『三十三間堂プロジェクト TETTAワークショップ 「千仏顔を作ろう」』に参加してきました。

このプロジェクトは京都の三十三間堂の1000体の菩薩像のように現代人で1000人の仏像顔を作り、それを並べることで、三十三間堂のオマージュ作品を作ろうという試みです。 多摩美術大学出身の若手作家であるTETTAさんによって昨年の5月からスタートし、わたしで522人目ということで、1000人まで中間地点を折り返した状況です。

 ワークショップはTETTA先生による仏像レクチャーからはじまり、仏像顔へメイクアップ、そして写真撮影、さらには仏像顔で街へお出かけするというかなりスリリングな内容でした。レクチャーでは仏様の種類やその有り様について、そして菩薩になるためにとても重要なお顔の特徴についてお話を伺いました。口元はアルカイック・スマイルという微笑をたたえ、目は瞑想中の薄目である三昧という状態とのこと。

そして仏顔へとこってりメイクを施し、冠や装飾も自分に似合うものを選び、姿形の準備をばっちり整え、いざ撮影です。悟りは開いていませんが、もちろんアルカイック・スマイルと薄目です。

 後日、菩薩になった自分の写真を送っていただきました。 仏顔は左右対称なので自身の顔も左右対称に画像処理された状態でありましたが、これが自分の顔!!と驚きました。お化粧やヘアスタイル、表情など普段はある程度自分の顔ってこんな顔だと認識していたのを覆された感じです。もしかするとお化粧や表情の型もある程度決まった条件のもとだと、それぞれの特徴がぐっと浮かび上がり、強調されるのかもしれません。

そういった特徴が1000体集まることで、「自分の顔にそっくり」「知っている人に似ている」「この顔いいな」など、確かに見る人に様々に思いを巡らせるのだろうと思います。これは、まさに三十三間堂の1000体の菩薩像のようです。 三十三間堂の菩薩像も圧巻ですが、現代人の生身の身体による菩薩像1000体の展示もそれはそれは迫力のあるものになるだろうと想像します。そんな作家の創作一部になり、活動に触れるというとても貴重な経験でした。今から展示がとても楽しみです。

担当:平尾