神奈川県藤沢市のマンション、BELISTA 藤沢のエントランス・外構に2つのアートワークを展開しました。
アートワークは、美術家・樋口健彦さんの作品。このプロジェクトでの作品制作過程と設置現場をレポートします。
作品概要
タイトル:Real Number Type
作家: 樋口健彦
積層された陶板作品は、人間の生体リズムである『1/ f ゆらぎ』を表現しており、 全体のボリュームには『白銀比』を意識したバランスを用いている。
外構作品サイズ:W600×H937.5
室内作品サイズ:W2800×H250
工期:2010年8月20
※白銀比とは:一般に言われる西洋発祥の「黄金比(1:1.618)」に対して、日本古来からある木割を基にした 1:√2の比率の事を意味し、大和比とも言われる安定した飽きのこない美しさを持つ比率と言われています。
作品制作
制作現場(作家アトリエにて)
素焼き状態の作品は積層陶はいくつかのパーツに 分かれています。
各パーツは手作業から生まれるゆがみや 微妙なずれがあり、 各パーツのジョイント部分は繊細な削り作業 によって調整されて組み立てられていきます。
微調整され、組み立てられた素焼きの陶に墨をしみこませます。墨がしみこんだ陶は、不思議な素材感になります。この状態で、作品の陶の部分は完成です。
←完成した陶パーツ
作品設置
室内作品
室内ではエントランスの壁面に作品を設置します。
まず、設置位置を確認。
型紙を使用してシュミレーションを行い、実際の設置位置を決定します。
←設置位置を確認中
位置決め後、各アンカーの差込穴を開け補強します。水平をとりながらいくつかに分かれている陶のパーツを隙間無く取付けていきます。最後にステンレスパーツを陶のパーツとぴったり固定し取付けて、設置完了です。
屋内作品
水平を確認しながら建築とのバランスを見て配置位置を決定します。
最下段は床石に固定取り付けます。陶パーツは防水接着材を利用し、一段一段固定接着していきます。各パーツのジョイント部分は、垂直水平を保つように確認しながら、接着していきます。
最終工程

ステンレスパーツを陶パーツとあわせて、固定します。隙間の無いようにぴったりとあわせます。
銘板取付
銘板を室内から確認できる位置に取り付け、すべての設置作業が完了しました。