SDA賞_渋谷区文化総合センター大和田

渋谷区文化総合センター大和田におけるプロジェクトが、サイン計画(ディレクション:NTTファシリティーズ、デザイン:アースケープ)とともに、優れたサインデザインを奨励するSDA賞に入選いたしました。

キーワードは「使える」サインシステム。小学校跡地である場の文脈に沿ってデザインされた黒板をモチーフとした案内板には施設運営のスタッフが書き込みやチラシを掲示できるスペースが設けられ、コミュニケーションツールとして機能するアイデアが盛り込まれています。さらにメインフロアとなる1階と2階の総合案内板には大型のLCDモニターを組み込み、施設のウェブサイトと連動して各施設の情報を提供。タッチして情報を検索することのできるiPadを併設することにより、利用者がより施設に親しみ活用することを促します。施設全体で区が提供する文化的なサービスを複合的に享受できる仕組みづくりをアナログとデジタルの両手法を用いて補完していることが評価されたのだと思います。タウンアートでは、後者のメディアに関して提案・企画からハードウェアの設置、ソフトウェアの開発までトータルに担当いたしました。今後は、これらのシステムの運用支援を行い、情報提供だけでなく、文化的な企画やプログラムを実施していく予定です。

情報掲示システムの概念にクリエイティブな視点やアイデアを盛り込むことで、コミュニケーションが活性化され、さらにはそれが地域文化の醸成や市民文化力の向上へと発展するのであれば、周辺の社会は少し変わるかもしれません。

(天野)

*SDA賞とは(SDAホームページより)
SDA賞は、優れたサインデザイン作品を広く社会にアピールすることにより、サインデザインの普及および啓発をはかることを目的として、1966年以来続けられてきたわが国で唯一のサインデザインに関する顕彰事業です。今日のサインは、都市空間や企業活動と生活者とをつなぐインターフェイスとして、即ち環境を活性化しコミュニケーションを成立させるためになくてはならない情報として位置づけられ、その作例は多様な拡がりをみせています。年に一度開催されるSDA賞では、そうした概念と手法の拡がりに対応しながら、質の高いサインデザイン作品を募集、審査し、優れた作品に贈賞をおこなっています。