茨城県において一貫して小児医療を先導し、中核的な役割を担う小児専門病院である茨城こども病院。昭和60年の設立より30年近く経過した施設のリニューアルに際し、複合的にアートを取り入れ、療養空間の質を高めることが求められた。当初から病院のシンボルであるラッコの親子「ララとココ」を主軸に、〝ララとココのホームタウン“という明確なコンセプトを掲げ、ストーリー性のあるアートワークを展開。建築計画との調和をはかり空間と一体となって配されたアートワークが、患者や家族の癒しを提供するだけではなく、見る人がまるで自分たちがララとココになったようにそれぞれのアートの形から想像を働かせることのできる演出となっている。その他、外来エリアでは灯台のオブジェ作品が曲がり角に配されるなど、アートワークそのものが楽しいサインの役目も担っている。
DATA
- 施設名称
- 茨城県立こども病院(リニューアル)
- 建築主
- 茨城県(運営主体:社会福祉法人恩賜財団済生会支部茨城県済生会)
- 所在地
- 茨城県水戸市
- 主要用途
- 病院
- 完了年度
- 2016年1月
- 建築設計
- 株式会社久米設計
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 長谷川仁、小林真理江
- 施工
- 清水建設株式会社、昭和建設株式会社
- その他
- 敷地面積:39,495.39㎡、延床面積:13,904.395㎡、病床数:115床