PROJECT/

国立陽明大学附属病院(宜蘭・台湾)

National Yang-Ming University Hospital (Yilan・TAIWAN)

癒しの森林

台湾の東北部に位置する宜蘭(イーラン)。この自然豊かなまちで百年の歴史をもつ宜蘭病院は2016年、新たに大型施設を新築増設し、国立陽明大学付属病院としてオープンすることとなった。それに伴い、台湾国内で施行される「1for Public Art条例」のもと、アート、医療、自然の関係を提起する癒しの森林をテーマとするアートワークを制作・設置した。タウンアートでは、病院の利用者だけでなく一般市民に常時開放されている敷地内公園の散策路に沿った2ヶ所の広場へ「緑・植物の癒し」をサブテーマに、金沢健一と笠原由起子による作品を起用した。

《音のかけら》大地の音

金沢健一による《音のかけら》は一枚の板から分断された、それぞれ形状とサイズの異なる金属のかけらで構成されている。叩くことでかけら固有の音を奏で、視覚だけではなく、聴覚や触覚でも楽しめる作品となっている。作品中央には台湾の在来種樹である青剛櫟を植栽し、秋の季節になると果実を実らせる。その実が金属のかけらに落ちることで、この土地ならではの音を鳴らすことが期待される。この《音のかけら》は、人の手で作られたモノと自然、この地に住む人々のコミュニケーションの場を生みだすアートワークだと言える。

《アースブック》大地の記録

笠原由起子の《アースブック》は、林業実験所福山研究センター(福山植物園)の協力のもと、この土地に自生する植物を採集し、直接植物から型をとって制作された。ブロンズ製の《アースブック》は、その土地の植物誌のように地域の自然の美しさを記録する作品である。またこの作品を制作するにあたり、植物園の手付かずの自然の森の中に病院スタッフを招き、ワークショップを開催した。自ら自然を感じたり、植物の専門家から植物を学んだりしながら、実際に植物を用いて作品を制作した。ワークショップによる植物とアートに秘められた心を癒す力の実体験を《アースブック》が医療現場へと繋ぎ、スタッフから患者、その家族まで想いが届くことを期待している。

 

DATA
施設名称
国立陽明大学付属病院
建築主
国立陽明大学付属病院
所在地
宜蘭・台湾
主要用途
病院
完了年度
2017年06月
アートディレクション
株式会社タウンアート
アーティスト
金沢健一、笠原由起子(五十音順)
その他
WS協力:林業実験所福山研究センター(福山植物園)

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