タウンアートとしても「インテリア+アートの総合プロデュース」の大型プロジェクトとなった本件は、4年に渡る新棟建設および既存棟改修工事に際し、環境改善・向上を目的として総合的なデザインコードを定め、来院される方々により穏やかに院内で過ごして頂くため、診療・療養環境に配慮したマスターコンセプトを策定するところから始まった。
手稲地区が古くは湿地であり水の多い場所だったことから、6つに分かれ複雑に連続する各棟それぞれに水・緑・光・花などのオアシスを構成する自然の色彩とモチーフでテーマを設け、明るく統一感のある環境づくりを目指した。
全棟統一されたインテリアの中でも各病棟をわかりやすく差別化・認識できるように、手稲山をはじめとする道内の植物や花、鳥をセレクトしてモチーフとし、それぞれのアイコン(目印)としている。
外来・病棟だけでなくスタッフエリアも含み、インテリア・家具・アート・サインからカーテン・備品まで素材や色使いを総合的にコーディネートし、配慮の行き渡る環境を創り出した。院内の主なアートワークには北海道ゆかりの作家を中心に8名の作家を起用し、また手稲の風景を描くアイコンとして院内に散りばめられた愛らしいモチーフの数々が、来院される患者様やご家族だけでなく、仕事に従事するスタッフにも広く愛されている。
DATA
- 施設名称
- 医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
- 建築主
- 手稲渓仁会病院
- 所在地
- 北海道札幌市手稲区
- 主要用途
- 病院
- 完了年度
- 2017年6月(納入完了)
- 建築設計
- 株式会社久米設計
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 岩本卓郎、国松希根太、Siroriss、鈴木亘彦、藤倉英幸、宮道知子、師井公二、吉津信一 他
- 施工
- 鹿島建設株式会社・株式会社大林組
- その他
- 敷地面積:約19,876㎡、 述床面積:約47,350㎡