計算科学の歴史と未来を表すシンボルモニュメント
計算科学研究機構とは、次世代スーパーコンピュータ(京速コンピュータ「京」)を擁して、先進の科学的成果を生み出し、地球規模の課題解決やイノベーションへとつなげていく研究機関である。
国際的な研究拠点として外国人の研究者等の訪問も多い場所であるため、日本が誇れる場であることを表す象徴的なモニュメントが求められた。モチーフとなったのはそろばん。計算という概念によって生み出された東洋古代のツールであり、その原点に始まって積み重ねられてきた計算科学の歴史を、コマを積み重ねたかたちで表している。またコマの数を17とし、10ペタプロップス級(10の16乗、つまり17桁)の計算能力があると言われている京速コンピュータを象徴するものとした。コマには桁数と東洋西洋で使われている単位(十、百、千といった単位と、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタなど)を方位にあわせて東西に刻み、東西の世界が融合して、ともに新しい未来を築いていくことを表している。頭頂部は空に向かって広がり、光を集めて金色に輝き、ここから発展して未来が輝くよう願いが込められている。
DATA
- 施設名称
- 理化学研究所 計算科学研究機構
- 建築主
- 独立行政法人 理化学研究所
- 所在地
- 兵庫県神戸市中央区
- 主要用途
- 研究所
- 完了年度
- 2010年4月
- 建築設計
- 株式会社日建設計
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 米林雄一