PROJECT/

ホギメディカル 筑波新キット工場

Hogy Medical

2003年に稼動を開始して以来、株式会社ホギメディカルの生産・流通体制の中心を担ってきた筑波工場に新たなキット工場が完成した。同社は世界最大級の電子線滅菌設備を用いた徹底的な滅菌と流通ラインを経て、「安心・安全」な医療器具を日々医療現場に送り届けている。今回の工場もヒューマンエラーを回避するため、オートメーション化を推し進めており、将来的には完全無人化を目指しているそうだ。

同工場の竣工を記念し、建築設計を担当した株式会社 日建設計、建築施工を担当した株式会社大林組からの寄贈品として、近藤央希のアートワークを設置した。

既存建屋と新工場を結ぶ廊下は、大きなガラス面の開口から外光が入り込む心地よい空間である。既存建屋から向かって最も奥の壁面に、今回の寄贈品として近藤による《area/ space》を設置した。
近藤はデジタルカメラで撮影した写真を独自のアルゴリズムを駆使し加工を施すことでイメージを作り出す。今回の制作にあたっては、新工場の竣工直後の光景=文字通り「空」の状態を撮影、それをイメージの源泉とした。これは、大型の機材が稼動している現在では誰もみることができない「不在」の光景である。この「空」あるいは「不在」は、「人の手を介さない」オートメーション化を推進する新工場の来るべき姿へのオマージュであるとも言える。
一見するだけでは、抽象的イメージであるのか、あるいは「なにか」「どこか」のイメージであるのは判別がつかず、曖昧な様相を呈している。また、近づいていくことでデジタル特有の細やかなマチエール(質感)が感じられる。デジタルデータとして加工されながらもなお、こうしたさまざまな距離からの鑑賞に別の姿で応答する本作は、本工場で働く職員や見学に来訪したゲストの想像力に解釈を委ねる豊かなアートワークとなった。

DATA
施設名称
ホギメディカル 筑波新キット工場
建築主
株式会社ホギメディカル
所在地
茨城県牛久市
主要用途
工場
完了年度
2015年12月(建築竣工:2015年08月)
建築設計
株式会社日建設計
アートディレクション
株式会社タウンアート
アーティスト
近藤央希
施工
株式会社大林組

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