がん治療の専門病院として最先端の医療とサービスを提供する本施設。がんとはその軽重度に関わらず必ず一度は生死や人生について考えさせられる病気である。そのため、がん治療のなかで大切なことは不安な気持ちを乗り越え、治療に向かう前向きな気持ちをもつことだという。よってアート計画では、人々に穏やかに寄り添い、ときに励まし、ときに癒し、ときに懐かしい記憶を呼び覚まし生きる活力を導くものとして「寄り添う」をテーマに展開。丁寧に描きこまれた絵画や、手あとのぬくもりが残る陶作品等、作り手のあたたかな気持ちが作品を通して伝わってくる作品や、身近な素材であるテキスタイルや日常的なモチーフや風景を描いた作品を中心とすることで、アートを特別なものとせず、作品を通して人の思いや日常の美しさが穏やかに伝わるよう配慮している。
デザイナー皆川明氏によるアートワーク
ファッションデザインを中心として活躍する皆川明氏をエントランスホールおよび外来診察の起点となるアートストリートに展開する作品のアーティストとして起用。私たちを包み守る衣服と同じように身近なものをデザインする目線で医療環境を考えることにより、人々に寄り添うアートワークを目指した。
DATA
- 施設名称
- 神奈川県立がんセンター
- 建築主
- 神奈川県
- 所在地
- 神奈川県横浜市
- 主要用途
- 病院
- 完了年度
- 2013年7月
- 建築設計
- 日本設計・大林組設計共同企業体
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 荒木愛、小木曽瑞枝、木村彩子、近藤英樹、高橋信行、水上多摩江、皆川明、吉田夏奈
- 施工
- 大林組・相鉄建設特定建設共同企業体
- その他
- 病床数:415床