北川辺町は2010年(平成22年)3月23日行政合併により、加須市・騎西町・大利根町の1市3町が合併して、新「加須市」に生まれ変わった。旧北川辺町は関東平野の中央部、埼玉県の北東に位置し、利根川と渡良瀬川に囲まれた「水輪のまち」として、豊な水と肥沃な大地に恵まれて発展を続けてきた。特に渡良瀬川遊水地や堤防強化で国の治水事業の強化によって、洪水の心配が無くなってからは、生活環境整備が着実に進み「めぐみの大地」となった。その閉町にあたって、町総合政策課総務グループが北川辺町の町最期の事業として、またその歴史の証として合併記念モニュメントの制作を企画した。
このモニュメントを制作するにあたり作家の西巻一彦は、北川辺の「人の和」、「水の輪」、「緑の輪」を作品テーマにすると共に、自然と農業と生活を支える恵みの水の恩恵と周囲に共生するオニバスや実った稲穂などを彫刻して、水と緑と大地を愛し、人々が共に築き上げてきた豊な北川辺の環境をこのモニュメントに投影させた。その環境を見守るフクロウの彫刻は、知恵と学びの象徴として親子、家族、地域の絆も表している。最後に、合併による新たな市への賛歌として、このモニュメントが”様々な人々に愛され続ける未来への輪” となることを、メッセージとして作品銘板に刻んでいる。
DATA
- 施設名称
- 北川辺町合併記念モニュメント
- 建築主
- 埼玉県北川辺町(現加須市)
- 所在地
- 加須市麦倉1473‐1 北川辺生涯学習センター「みのり」芝生広場内
- 完了年度
- 2010年2月
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 西巻一彦