「花つづり」 ~こころの花が織りなす うるおい病院
「花つづり」とは、織物 播州織の里である西脇市のイメージから紡ぎだした言葉。
小さな花々が繋がりあい織物のような姿を見せる「しばざくら」が市の花であるように、織物は市を象徴するものである。
さまざまな色の糸を組み合わせて織り込んでいくことで、多様な模様を織り出す播州織。
その織物のイメージになぞらえて、病院を訪れる人々や、医師・職員など病院にかかわるすべての人々が繋がりあい、かたちづくられていく病院の姿をアートワークにあわらした。
窓の開口や光庭など、周辺環境の自然を巧みに取り入れた建築設計を生かし、窓外の風景とも調和する、やさしいアートワークの展開とした。
アートワークが病院を彩り、自然豊かな地域環境のなかで病院そのものが花のような存在となって人々に「うるおいと癒し」を提供する。
院内ワークショップを実施してアートワークに反映
アート計画の一部には市民参加型作品(アーティスト:磯崎道佳)を導入。建設段階にワークショップを行い、地域の人々がそれぞれの「花」をカラーフィルムに描き、切り取り、「花ふうせん」を制作。参加者によって描き出された花のデザインを記録し、アーティストが壁面のデザインに反映させ、新棟に市民による花の風景を創出した。描いて切って貼っての工作は参加した患者の心と体に元気を与えるとともに、患者やスタッフ、見舞いの子どもたちなど地域の人々で描き出した花々が、新棟に訪れる人々を励ますという、市民病院ならではの市民による「元気のサイクル」を生み出した。
- 施設名称
- 西脇市立西脇病院
- 建築主
- 西脇市
- 所在地
- 兵庫県西脇市下戸田
- 主要用途
- 病院
- 完了年度
- 2009年3月(2009年11月 グランドオープン)
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 磯崎道佳、笠原出、豊嶋敦史、若野忍