全国で3例目となる都市再生特別特区のプロジェクト。民間主導により札幌の活力を高める中心拠点として、歴史的資源である赤レンガ庁舎や北3条通の銀杏並木の景観を調和した風格ある建築、開放的な広場やアトリウム空間を有するパブリックスペース、駅前通地下歩道との接続等、都市に貢献する建築として新たなプロトタイプとなりえるという評価を得て、平成22年度北海道赤レンガ建築賞を受賞した。
この施設の屋外オープンスペースとして、地下通路とのアクセス上、非常に重要な場所に位置するのがサンクンガーデンである。札幌市の主軸を形成している札幌駅前通と北三条通の交差点でもあり、また将来的には赤レンガ旧道庁舎と銀杏並木を歴史的背景として、ニッセイ札幌ビルと隣接するかたちで公共広場が計画決定されている事もあって、この空間へのアートワークの実施は都市計画上でも意義深いランドマークの創出となった。
地上と地下、2つの上下空間を結び、動線として人を導くランドマークとして、札幌では珍しい試みとなる屋外での吊彫刻を制作。日本生命のシンボルとしてその真赤な色で命のエネルギーを感じさせるとともに、炎の姿が街と未来に光を灯す指標となって欲しいという願いをこめ、この作品は「Torch(トーチ)」と命名された。
DATA
- 施設名称
- 日本生命札幌ビル
- 建築主
- 日本生命保険相互会社
- 所在地
- 札幌市中央区北3条西4丁目1番1号
- 主要用途
- オフィス、店舗
- 完了年度
- 2011年3月
- 建築設計
- 株式会社久米設計
- アートディレクション
- 株式会社タウンアート
- アーティスト
- 豊嶋敦史
- 施工
- 株式会社大林組
- その他
- タイトル:Torch